髪を育ててやる!

月別: 2017年7月

適量のお酒を飲んで育毛する

酒は百薬の長といわれるように、適量の飲酒が健康によいことはよく知られています。日本酒では1日1合、ビールでは1日大瓶1本、そして赤ワインでは1日グラス2~3杯を飲む人たちは、お酒をまったく飲まない人たちよりも長生きであることが報告されています。

日本酒は、米こうしから作られた糖を、清酒酵母がアルコールに変えること(アルコール発酵)で、できあがります。原酒のアルコール度数は、22%にも及び、ワイン(12~13%)やビール(4~5%)など、ほかの醸造酒のアルコール度数よりも高くなっています。

清酒酵母は、世界の酵母の中でも一番活発です。その理由は、米こうじが作る物質が、清酒酵母を活性化するからです。米こうじで活性化された清酒酵母は、自分自身の働きを高める物質を作ります。その中のひとつに、α‐グルコシルグリセロール(αGG)と呼ばれる物質があり、日本酒には0.5%ほど含まれます。この物質のおかげで、高濃度のアルコール環境の中でも清酒酵母は元気に活動できるのです。

マウスを使った実験では、日本酒に含まれるαGGは知覚神経を剌激し、育毛を助けてくれる働きを持つIGF‐1をふやす働きがあることがわかりました。IGF‐1は心身の成長作用のほか、肌の血流をふやし、保湿効果やコラーゲンの増加作用を持っています。昔から、酒風呂に入ると肌がきれいになるといわれるのも、こうした作用のおかげかもしれません。

そこで、酒風呂の美肌効果にαGGが重要な役割を果たしているかどうかを確かめるために、20~40代の13人の女性に協力していただき、αGGを毎晩1回、2週間、顔に塗ってもらい、肌の弾力性への影響を検討しました。

その結果、13人中12人で、肌の弾力性が高くなることがわかりました。日本酒を適量飲んだ場合は、αGGが胃の知覚神経を剌激して、毛根を含めた全身のIGF‐1をふやすと考えられるので、美肌と育毛の両方の効果が期待できます。温かいもののほうが胃の知覚神経を刺激しやすいので、IGF‐1をふやすためには、日本酒は燗で飲むことがおすすめです。また、酒風呂の場合は、日本酒をお湯で50倍に薄めて使ってください。

ビールは、昔は薬代わりに使われていました。日本では、明治時代には薬屋さんで売られていたそうです。

なぜ、ビールに健康効果があるのでしょうか? ビールに含まれる炭酸ガスが知覚神経を刺激し、IGF‐1をふやしてくれるというのがその理由のひとつですが、ビールには、炭酸以外にもIGF‐1をふやす成分が含まれています。

ビールを作る過程において、発芽させたビール大麦(麦芽)に苦みや香りを加えるためにホップを加え、そして、さらにビール酵母を加えてアルコール発酵させます。この時点で発生する二酸化炭素(炭酸ガス)がビールに溶け込んで、発泡性となります。

ホップには、ゲラニオールというバラの香りの成分でもある物質が含まれており、ビールに芳香を与える働きをしています。実験を行うと、ゲラニオールには、知覚神経を刺激して、IGF‐1をふやしている作用があることがわかったのです。5%のエタノールにも知覚神経刺激作用があることが知られているので、ビールは、ホップ中のゲラニオール、二酸化炭素、およびアルコールの3つの成分の作用により、胃の知覚神経を刺激することによって、IGF‐1をふやすことにつながります。

実験の結果でも、予想した通りに、ビールを飲ませたマウスでは、IGF‐1が増加していて、その認知機能が改善しました。

IGF‐1には、抗ストレス作用のほか、抗不安・鎮静効果もあります。誰しもが、ビールを飲んで、そのシュワッとしたのど越しの刺激を味わうと、途端にホッとしますが、その偸し効果にもIGF‐1がふえることが関係しているようです。